本の紹介
タイトル:「JK、インドで常識ぶっ壊される」
著者:熊谷はるか(くまがい はるか)
出版社:株式会社河出書房新社
2021年12月発行
221ページ
この本を読んだきっかけ
うちにも同世代の子供がいるのでタイトルが気になり予約しました。
女子高生がインドでどんな経験をしたのか知りたかったです。
子供にも読ませたいと思いました(うちの子はあまり読書をしないので読めと言っても読みませんが)。
インドで暮らす機会なんてなかなかないですから。
大まかな本の要約
両親の転勤でインドに来た女子高生が、インドの生活や日本との違い、インターナショナルスクールのクラブ活動などを紹介していきます。
後半はストリートチルドレンについて考えたり、ボランティア活動を通して彼らのために行動する様子が書かれています。
一時的に昼、ストリートチルドレンと呼ばれる子供たちの面倒を見ている施設に行って一緒に遊んだり、麻薬を子供たちの身近な店に置かないでほしいと子供たちと一緒にデモを行ったりしていました。
感想
タピオカや夢の国やプリクラの好きな女子高生の視点がみずみずしいです。
インドでの生活で日本と違うところや時間の感覚が違うことで起こった出来事は日本との違いが際立っていて、読んでいて面白かったです。
ストリートチルドレンたちとの交流では、一人ひとりと向き合い、自分の感性を大事に問題を考えていました。
自分の中に芽生える様々な感情を味わい、正直に言葉にしていく誠実さがあり好感を持ちました。
インドの貧困、カースト制度というものの現在は日本の一女子高生には荷が重すぎる問題ですし、本人もそれはわかっているけれど、等身大で自分のできることをやるしかないと決めて誠実に実行していく姿になぜかありがとうと言いたい気持ちになりました。
日本にいたらわからないことを経験して報告してくれた彼女に。
世界は広くて私たちにはどうにもできないことがあります。
関わろうともしないこともできます。見て見ぬふりをすることもできます。
実際に私はこの先インドには行かずに死ぬでしょう。
でも少しでも、この本に描かれている、著者と仲良くなった美しい名前を持ったスラム街の少女は今頃どうしているかと日々思いながら生きることはできそうです。
日々思うことによって行動を変えていくことができるでしょうか。
想像することをしたら、日本にいてもできることはないかと考えることくらいはできるでしょうか?
著者について
熊谷はるか(くまがい はるか)さんは、中学3年生の時両親の転勤でインドに渡り、現地のインターナショナルスクールに通いました。
その日々を綴り「第16回出版甲子園」に応募、史上初の高校生でのグランプリ受賞を果たしました。
頭の良い学生だと感じられる文章でした。
2003年生まれ。
出身校は渋谷教育学園幕張高等学校。
千葉県でトップの私立中高一貫校で、留学などにも力を入れている国際的な学校です。
偏差値74
熊谷はるかさんも2022年3月に高校を卒業し、アメリカの大学に進学されました。
2024年には21歳。
この本をおすすめしたい人
中高生とその親御さん。
自分の子供と同年代の子供が、外国(インド)での生活で何を思ったかを少し知ることができます。
まとめ
インドでの女子高生の生活の一部、そしてボランティア体験を通して考えたことが、みずみずしい文章で綴られている本でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。