クリスティーン・ポラス『「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』~生き残れる組織・人材に必要な土壌!

「礼儀正しさこそ最強の生存戦略」
目次

本の紹介

自分が属するコミュニティを居心地の良い場所にするための本。

書名:『「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』

著者:クリスティーン・ポラス

訳者:夏目大

発行所:東洋経済新報社

発行年:2019年7月

317ページ

著者クリスティーン・ポラスChristine Porathは、ジョージタウン大学マクドノー・スクール・オブ・ビジネス准教授。

グーグルやピクサー、国連、アメリカの国家機関などでコンサルティングを行い、多くの有名メディアに取り上げられ、注目されている。

この本を読んだきっかけ

例によって、回ってきたときに面白そうだと思い予約した。

「礼儀正しさ」という一見一歩引いたようなおとなしめの態度が、生存戦略として(しかも最強の!)どう有効なのかが気になった。

本の要約

無礼な人の弊害を紹介し、真に礼儀正しい人がいることの価値を説いている。

職場に友好的でない人がいると死亡リスクが高まる!

無礼な態度を取られると、人の認知能力や注意力などに影響がある。

この本での”無礼な態度”というのは、人の話をさえぎったり、無視したり、どなったりばかにしたりなどすること。

パワハラモラハラと考えればいいと思う。

医療現場(手術中など)ではそれが医療ミスにつながり、患者が実際に死亡することもあるという。

理不尽な扱いを受けた人はそのときだけでなくその後も注意力や集中力をそがれ、パフォーマンスが悪くなる。脳の状態が変化する。

思考力の低下で、目の前にあるものも見えなくなる。

認知能力が低下する。

精神状態を正常に戻すのに力を使うため。

無礼さは伝染する

人が無礼な態度を取られているのを見ている周囲の人も悪影響を受け、ストレスを感じる

そしてなんと脳に痕跡も残る。入れ墨のようなもの。

何かが引き金となってそのときの感情がよみがえることもある。

礼儀正しさとはあたたかさと有能さ

無礼と対極にあるのが礼儀正しさ。

礼儀正しさとはあたたかさ、それから有能さ

あたたかさは一瞬で伝わり、第一印象を作る。

礼儀正しいとは、単に無礼でないというだけでは不十分。

その人の振る舞いにより、周りの人が心地よい気分にならなければ、真に礼儀正しいとは言えない。

ゼロではなく、プラスに働かなくてはいけない。

礼儀正しい人になるために

自分はどんな人間になりたいか?を何度も考えること。

真に礼儀正しい人になるために我々ができることは、自分を常に監視し気を付けてふるまうこと。

偏見をもたず、誰に対しても平等であるようにふるまう。

自分が無礼になっていないか気づく方法の一つとして、周りの人にそのつど教えてもらうというやりかたがある。

それから、十分な睡眠を取ったり食事を適切に取ったり、笑顔を絶やさないなど、体調や気分を良く保つなど基本的なことも大事

 

感想

理不尽な扱いを受けると単に気分が悪くなるだけではなく、脳の状態から変化してしまうことに驚いた。

その結果、目の前にあるものも視界に入らなくなったりするとなると、なるほど医療ミスが起こってもおかしくないだろう。

そのときだけではなく、その後しばらくの間、そして何年たってからもフラッシュバックしたりすれば、うつ病になるのもうなずける。

そして無礼はそれを見ている周りの人にも影響を与えるということ。

お客さんの前で店員をしかるなどしたら、まわりのお客さんも嫌な気分になって、その店は売り上げが落ちてもおかしくない。

著者の、礼儀正しい人の定義がすばらしい。

単におとなしくいい人ではなく、その人のふるまいにより周りの人が心地よく過ごせることというもの。あたたかく、有能であること。

いじめを見ているだけの人もいじめに加担しているのと同じ、という理屈に通じるものがある。

礼儀正しさにはリーダーシップや、積極性も含まれると思った。

自分が無礼になっていないか気づく方法の一つとして、周りの人にそのつど教えてもらうというのがあったが、ちょっとやりにくいなと感じた。

やるなら例えば自分の部署全員でやるなどしないと、やりにくそう。

会議中に無礼なこと(例えば誰かの話をさえぎるなど)をしたら、サインを決めて教えあうことと決めて、実際にやった人の話が載っていたが。

アメリカ人など、上司ともフランクに意見を交わす(イメージだけど)ような人柄の民族がやるならやりやすいかもしれないが、日本の縦社会では上司の無礼を指摘するなど、しらふではなかなかできないだろう。

できたらとても効果的だと思うけれど。ゲームみたいに試しにやってみて、様子を見ながら導入したらいいかもしれない。

まとめ

著者の言う、真に礼儀正しい人の定義がすばらしかった。

本当に礼儀正しい人がいる組織は大きく発展していくだろうと思わせる内容だった。

結果、その組織は生き残れる。

礼儀正しい人も、周りの人に良い影響を与え慕われて、結果、必要不可欠な人材として生き残る。

最後までお読みいただきありがとうございました。

「礼儀正しさこそ最強の生存戦略」

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